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【ネタバレ】「神様の恋愛相談請け負います」付記 尼野ゆたかと協力者の取材日誌その7 ~滋賀編 後編~

竹生島は琵琶湖で二つ目に大きい島。

宝厳寺というお寺と都久夫須麻神社(竹生島神社)があります。

琵琶湖の島に寺と神社があるのかと驚きますが、琵琶湖で一番大きい沖島だと小学校や郵便局さえありますからね。琵琶湖でけえ……


われは湖の子 さすらいの




竹生島に行くにはフェリーです。自分は長浜から乗りました。




もう海ですよねこれ。気持ちいい。





風も強いんですが、淡水なので当然ながら潮の香りは一切しません。

なんとも不思議な体験でした。





到着。

パワースポットブームによるところでしょうか、密にならない程度ですが結構な人がいました。





義弟曰く「滋賀県に生まれ育った人間なら誰でも知っている」らしい琵琶湖周航の歌の歌碑が。そんな、イギリスにおける「希望と栄光の国」とか阪神間におけるビューティフルサンデー(盆踊りで多用される)みたいなことがあるんでしょうか……。

なぜ竹生島に歌碑があるのかというと、歌の中に竹生島が出てくるからなようですね。





殺生禁断也。元々はお寺がメインだったそうですし、その関係もありましょうか。




フェリーは長浜以外からも発着していて、別の種類のものが止まっていたりしました。

丸に橘紋が見えます。





神も仏もある島


まずは宝厳寺へ。

江の島もそうでしたが、中々に急な階段が続きます。しんどくってのぼれないとまでは行きませんでしたが、むむっと怯む程度のものはありました。





こちら宝厳寺。なぜか半端なロングショットしかなかった……。


元々はお寺と神社は別々ではなく一体だったそうですが、維新政府の神仏分離令を受けて強制的に分けられたそう。江の島とよく似た経緯ですね。

安丸良夫さん「神々の明治維新―神仏分離と廃仏毀釈」には、竹生島が明治初期に被った困難が書かれています。

政府の意向を受けた当時の大津県(滋賀県ではなかったのです)は「文句を言えば朝敵同様。白いものを黒いと言われても朝廷には逆らえない。仏教は天竺から来たものなのだから、そこまで信じるなら天竺に帰化しろ。焼払になったらどうする」とまで言って脅したそうな。






こちらお寺の寺紋。十五枚笹でいいのかな。




三大弁天の一つである竹生島ですが、実際に歩いてみると沢山他にも祀られています。

いくつか上げてみましょう。




天狗もいれば、




黒竜大神夫婦も。




神変大菩薩、つまり役小角ですね。修験道も存在したのでしょうか。






白巳大神。神使の蛇を祀っているのとのこと。

ページ数の関係で、竹生島での登場はなりませんでした。ひょっとしたらこっそり様子を見てたのかも。





弘法大師。どこにでも来ている設定……水戸黄門とどっちが行動範囲広いでしょうね。





不動明王。こうしてみると仏様も沢山祀られてますね。





八大竜王拝所。かわらけ投げという願掛け遊びができます。

学生さんのグループがいて盛り上がっていたので、残念ながらできませんでした。






あと神仏ではありませんが、片桐且元という戦国武将ゆかりのモチノキがあったり。

あれこれ有名なエピソードのある彼ですが、こういう仕事もこつこつやっていたのですね~。


ちなみにフェリーの中のビデオで見たのですが、戦国時代に竹生島は信長の焼き討ちを受けたそうです。

信長は竹生島に参詣したエピソードが有名だったりするのですが(いわゆる竹生島事件)、燃やしてもいたのですね。近畿地方ではそういうエピソードが沢山。



国宝もあるよ



国宝の一つ、唐門。




大坂城唯一の遺構であるとの説明があります。






そしてこちらが作中でも登場しました神社です。陽輔と弁才天が座って旅行話をした石段も見えますね。

本殿に近づいての撮影はあかんということなのでこういう一枚しかございません。残念。

まさか階段で座って話すことになろうとは思ってなくて、全体を収めることに躍起になっていたのでした。

(そう、あのシーンは割とアドリブだったのです)

手前には菊紋と五七桐紋がありますが、奥の方に入れ違い雨龍宝珠(入れ違い雨龍に宝珠、の方が近いような気もしますが……)の神紋もあります。




こちら河童さん。なんか顔が若干龍っぽくもあるような。




とこんな感じの竹生島でした。

本当は他にも色々興味深いところがあったのですが(竹生島棒術なる武術があるらしいとか、本当に色々)ほどほどにいたしました。

島全体がご神体、という話もありますが、なるほどそんな感じでした。「他のもの」がないんですよね。お土産屋さんくらい。


滞在時間も決まっていたりしますが、そんなに広くはないので一通り見て回るなら問題ないと思います。ぼんやりしたりゆっくり考えたりとはいきませんが……。

大ヒットしたらもう一度報告ということで訪れるのもいいですね。


さて次は、作品にでてきた神様たちゆかりの神社編です。あれこれ好き勝手しているので、一応挨拶はして回ったのですよ(伊勢神宮や月讀宮も実はその一環というのがありました)。お楽しみに。

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