コラボ小説「生贄妃は天命を占う 黒猫と後宮の仙花」刊行にあたって。

来る5月15日、 いよいよ佐々木禎子さんとのコラボ小説
「生贄妃は天命を占う 黒猫と後宮の仙花」が刊行されます!


企画が実現に至るまでの具体的な流れにつきましてはあとがきの方に書きましたので、
今回は紙幅の都合もあり省略せざるを得なかった「コラボ小説とは如何なるものか?」という点について少し書いてみようと思います。


作業工程、尼野ゆたかの暴走、佐々木さんのお言葉

まずは佐々木禎子さんがじっくりプロット(物語の骨格となる、あらすじや登場人物・設定などをまとめたものって感じでご理解ください)を編集者様と作って下さり、それを僕が受け取って執筆するという形で作られました。
担当様が同じというご縁から始まった企画でもありますので、その辺りの流れは大変スムーズでありました。

……いや、スムーズと表現するとウソになってしまいますね。実を申しますと、頂いた話の面白さに僕自身がテンション上がりすぎてお二人にたしなめられるという一幕がしばしばありました。一幕なのにしばしばあるとか何幕構成やねんって感じですね。大変申し訳ない限りです……


こちら佐々木さんのブログです。仰っている通り、読者の皆様には間違いなく気に入って頂けるものであります。どうぞお楽しみに。





「コラボ」小説なのです

もう一つここでお伝えしておきたいのが、執筆について。
それはどんなものだったかと申しますと、昨今話題のAIの如くただただ指示通りに文章化するというのとは正反対でした。
上でも触れた通りしっかりと狙いを定めてじっくりと練り上げられたプロットなのですが、一方で「僕ならではの書き方」ができるようにも作って頂いていたのです。余裕や広がりとも言うべき部分が、用意されていたのですね。僕も一緒に参加して紡ぐことができる、まさしく「コラボ」させてもらえる物語だったのです。本当に、本当に楽しく書くことができました。


また、楽しいだけではなく、大いに学ぶこともできました。
「なるほど、こうなっているのか!」という部分もあれば「自分では思いつきもしないようなものだ!?」」というポイントもありまして。
それらに対して、「この要素はなぜ存在するのか?」「どのように活用できるか?」と考えて取り組み、遂に然るべき完成形を見出せたとき、僕はとてつもない手応えを感じました。自分自身とは違う回路を通って現れた物語を書くことはまさに挑戦であり、その場を与えて頂けたことにはいくら感謝してもし足りません。


ちなみに佐々木さんは「完成したら読みます」と手放しでお任せくださいました。
文章の端々に僕の肩に力が入っていることが滲み出ていると思いますが、それも理解して頂けましょう。これには応えねばならぬでしょう。人生意気に感ずというやつですね!


イラストを描いて下さったのは、紫藤むらさきさん。既に完成したものを頂いていますが、とても素敵ですよ。細部まで大変力を入れて描いて下さっておりますので、是非じっくりとご覧下さいませ。紫藤さんにもこのコラボに参加して頂けたなと、そういう気持ちで僕はいます。




是非ご一緒に!

何度か参加、と申しましたが。それは我々だけの話ではありません。
皆様に読んで頂くことで物語は完成し、そして更なる広がりにも期待できるようになります。損はさせません。とても面白いものになったと思います。

刊行日は5月15日です。
僕たちと一緒に、コラボ小説の地平を見に行きましょう。きっと気に入って頂けるはず!